SDGsに関する生活者アンケート調査(首都圏編)
生活者の関心が高いSDGsの目標は「すべての人に健康と福祉を」と「貧困をなくそう」。企業が力を入れて取り組む目標とは大きな差
~生活者を対象に、「SDGsに関する意識」や「企業のSDGsの取り組みに対する認識」を聞くアンケート調査を実施~
名古屋で地域企業や大学、公共機関等のWebサイト制作を手掛ける株式会社エーアンドエー(本社:愛知県名古屋市、代表:宮川 貴)は、2020年4月より、自社で本格的にSDGsの目標に取り組むとともに、地域企業等のSDGsの取り組みをWebやデジタル表現を使って幅広く生活者の皆様に届け、理解してもらうための調査研究を始めました。
その活動の第一弾として、首都圏および東海圏の生活者計1,000名を対象に、SDGsに関する意識や、企業のSDGsの取り組みに対する認識を聞くアンケート調査を実施しましたので、その結果の一部を公表いたします。
東海圏の調査レポートはこちらからご覧ください。
SDGsに関する生活者アンケート調査(東海圏編)
調査結果サマリー
- SDGsの認知・理解度を聞く設問では、「知らない」と回答した人は、男性52.4%、女性65.2%で、男女間で13ポイント近くの差
- SDGsの認知経路を聞く設問では、どの年代でも「テレビ」が最も高い。続いて、20~30代では「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」が高いのに対し、40~50代では「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」と「新聞」が同率で並ぶ
- SDGsの関心のある目標を聞く設問では、どの年代でも「3. すべての人に健康と福祉を」と「1. 貧困をなくそう」が1位と2位を占める。特に20~40代では「1. 貧困をなくそう」の関心が高い一方で、50~60代では「3. すべての人に健康と福祉を」の関心が高い
- 企業のSDGsの取り組みに対する関心を聞く設問では、41.0%の人が「ここ1年ぐらいの間に、企業の取り組みに対する関心や理解が高まった」と回答
※今回公表する調査レポートは「首都圏在住者」の回答を集計した結果です。
※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
調査結果詳細
1. SDGsを「内容まで理解している」と回答した人は6.0%。一方、「知らない」と回答した人は58.8%
「あなたはSDGsについてどの程度知っていますか?」という設問に対し、「内容まで理解している」と回答した人は全体の6.0%であった。また、少なくともSDGsを認知していると言える「何となく知っている」(14.4%)、「言葉は聞いたことがある」(20.8%)までを合計すると41.2%となった。
一方、「知らない」と回答した人は58.8%で、いまだ約6割の生活者がSDGsという言葉すら聞いたことがない結果となった。
この結果を、帝国データバンクが2020年7月14日に公表した『SDGsに関する企業の意識調査』と比較すると、SDGs への理解や取り組みについて、「分からない」「言葉も知らない」と回答した企業は合計でも27.9%に過ぎず、企業と生活者の間には、SDGsの認知に関して大きなギャップがあることが見受けられる。
この比較からは、企業にとっては重要な経営課題の一つとして認知されてきているSDGsへの取り組みも、まだ一般生活者には幅広く認知されておらず、自社のSDGsの取り組みを生活者に届けるためには、「そもそもSDGsとは何か?」「SDGsに取り組むことがなぜ重要なのか?」ということから始める必要があると推測されるものとなった。
2. SDGsを「知らない」と回答した人は、男性52.4%、女性65.2%で、男女間で13ポイント近くの差
さらに、前項の回答を男女別で比較すると、「知らない」と回答した割合は、男性52.4%に対し、女性は65.2%で、男性を約13ポイント上回る結果となった。また「内容まで理解している」と回答した割合においても、男性9.2%に対し、女性は2.8%となっており、SDGsの認知や理解においては、性別間において比較的顕著な差が見受けられる結果となった。
上記の結果から、企業が自社のSDGsの取り組みを生活者に届けるというテーマに関しても、届けたい相手となる生活者の社会的属性(性別等含む)を考慮したコミュニケーション・デザインが重要となることを示唆していると考えられる。
3. SDGsの認知経路は「テレビ」が最も高い。続いて「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」、「新聞」
次に、SDGsを認知している人を対象に「あなたはSDGsのことを何で知りましたか?(複数選択可)」と質問したところ、「テレビ」が43.2%で最も高く、続いて「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」(32.0%)、「新聞」(25.2%)という結果となった。
上記の結果から、テレビの役割は依然大きいと言えるものの、「インターネット」に関連する選択肢を1つ以上回答した人は92人(n=206)で44.7%となっており、インターネットが最大の認知経路であると考えられるほか、「インターネット(企業サイト/アプリ)」(10.2%)も5位に並び、企業の情報発信が、ニュースサイトやSNS等に載って拡散されている可能性も踏まえると、かなり大きな役割を果たしているものと推察される。
4. SDGsの認知経路はどの年代でも「テレビ」が最も高い。続いて、20~30代では「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」、40~50代では「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」と「新聞」が同率で並ぶ
前項の回答を年代別で比較すると、どの年代においても「テレビ」が全体と同じく最も高かった。一方、2位以降の回答は、20代では「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」、続いて「ラジオ」と「インターネット(企業サイト/アプリ)」が同率。30代では「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」、続いて「雑誌」。40~50代では、「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」と「新聞」が同率。60代では「新聞」、続いて「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」という結果となった。
全体ではSDGsの認知経路として3位の「新聞」が、20~30代では、その割合を大きく落とす結果となっており、SDGsの取り組みを届けるメディアとして、世代を超えて有効なものは「テレビ」以外では、「インターネット(ニュース・情報サイト/アプリ)」がその役割を果たすと考えられる。
また、「インターネット(企業サイト/アプリ)」も、世代間の格差が少ないのが一つの特徴と言える。
5. SDGsの関心のある目標は「3. すべての人に健康と福祉を」と「1. 貧困をなくそう」
次に、すべての人を対象に「SDGsの17の具体的な目標(ゴール)のうち、どの目標に関心がありますか?(最大3点まで選択ください)」と質問したところ、「3. すべての人に健康と福祉を」が27.8%で1位、「1. 貧困をなくそう」が26.6%で2位となった。続いて、「2. 飢餓をゼロに」(18.6%)と「16. 平和と公正をすべての人に」(18.6%)が同率で並ぶ結果となった。
一方、「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」(4.2%)や「12. つくる責任 つかう責任」(4.2%)といった目標は低位にとどまった。
上記の結果から、ヒトや人間社会に関連する「健康・飢餓・貧困・平和」など、生活者が自分事として考えやすい目標がより多くの関心を集める一方、「産業・技術革新・つくる責任」といった、企業活動に結びつきやすい目標への関心はいまだ低い傾向にあることがうかがえた。
この結果を、帝国データバンクが2020年7月14日に公表した『SDGsに関する企業の意識調査』と比較すると、企業が現在力を入れて取り組んでいる目標は「8. 働きがいも経済成長も」(27.1%)、「7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに」(15.9%)、「12. つくる責任 つかう責任」(14.8%)などが高く、いずれも生活者が関心を寄せる目標とは異なる傾向にあることが見受けられる。
一方、生活者の関心を集める「3. すべての人に健康と福祉を」「1. 貧困をなくそう」「2. 飢餓をゼロに」という目標においては、企業の取り組み状況や意欲は低位にとどまっている。
この比較からは、企業と生活者では関心を寄せるSDGsの目標に大きな違いがあり、企業が自社のSDGsの取り組みを生活者に届けるためには、自社の取り組むテーマ(目標)に対してどうすれば生活者が関心をもってくれるのか、改めて検討することが必要になると推測されるものとなった。
6. 20~40代では「1. 貧困をなくそう」の関心が高い一方で、50~60代では「3. すべての人に健康と福祉を」の関心が高い
前項の回答を年代別で見ると、どの年代においても「3. すべての人に健康と福祉を」と「1. 貧困をなくそう」が1位と2位を占める結果となった。特に20~40代では「1. 貧困をなくそう」の関心が最も高くなる一方で、50~60代では「3. すべての人に健康と福祉を」の関心が最も高くなった。
また、全体で3番目に関心を集めた「2. 飢餓をゼロに」は特に20代と60代からの関心が高く、同率の「16. 平和と公正をすべての人に」は、比較的どの世代からも高い関心を集めていることがわかった。
上記の結果から、企業が自社のSDGsの取り組みを生活者に届けるというミッションに関しても、自社で取り組んでいるテーマと、生活者の社会的属性(年齢等含む)における関心テーマを考慮して、届ける相手やその表現方法の検討が重要であることを示唆していると考えられる。
7. 企業のSDGsの取り組みに対する関心は、41.0%の人が「ここ1年ぐらいの間に、企業の取り組みに対する関心や理解が高まった」と回答
最後に、「昨年の今ごろ(1年前)と比較して、あなたは企業のSDGsの取り組みに対する関心や理解が高まりましたか?」と質問したところ、「ここ1年ぐらいの間に、企業の取り組みに対する関心や理解が高まった」と回答した人が41.0%で最も高かった。続いて、「企業の取り組みに対する関心や理解はほとんど変わらない」(36.1%)、「1年以上前から既に、企業の取り組みに対する関心や理解は高かった」(21.3%)、「企業の取り組みに対する関心は低くなった」(1.6%)という結果となった。
4割を超える人が、1年前と比較して企業のSDGsの取り組みへの関心や理解が高まったことから、SDGsの目標達成年限である2030年に向けてより一層、生活者からの理解や関心は高まるのではないかと予想される。一般生活者からの理解促進に価値を置く企業にとって、SDGsの取り組みを社会に幅広く効果的に届けることは、企業価値の向上において非常に有効的であるのではないかと推察できる結果となった。
調査概要
「SDGsに関する意識や、企業のSDGsの取り組みについてのインターネットアンケート調査」
目的:生活者の「SDGsに関する意識」や「企業のSDGsの取り組みに対する認識」についての現状を把握し、今後の企業等におけるSDGsの取り組みの発信・表現手法を検討していくため
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年7月20日~2020年7月21日
調査対象者:首都圏・東海圏在住者20代~60代男女(株式会社クロス・マーケティング「QiQUMO提携パネル」利用)
有効回答数:首都圏・東海圏在住者各500サンプル(性年代別に均等割付)
設問数:10問
出典:株式会社帝国データバンク『SDGsに関する企業の意識調査』(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p200708.html)
お問い合わせ先:株式会社エーアンドエー SDGsプロジェクトチーム(sdgs@a-and.co.jp / 052-953-1001)
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